「本当のお金持ち」が招待される「すごいイベント」トップ5を発表みなさんはプライベートバンクをご存知だろうか。限られた富裕層のみに手厚いサービスを提供する金融機関のことをそう呼ぶ。筆者は日本、アメリカ、スイスのプライベートバンクで計11年間、富裕層の資産管理を行うプ
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みなさんはプライベートバンクをご存知だろうか。
限られた富裕層のみに手厚いサービスを提供する金融機関のことをそう呼ぶ。
筆者は日本、アメリカ、スイスのプライベートバンクで計11年間、富裕層の資産管理を行うプライベートバンカーとして働いていた。
前回記事『新しい金持ちが使う「プライベートバンク」、利用するのも納得の「3つの魅力」』では、若く年収が高い最近の富裕層たちがなぜプライベートバンクを利用するのか、その特徴やメリットについて紹介した。
本記事ではその筆者の経験からプライベートバンクが顧客を招待しているすごいイベントTOP5を紹介する。
本ランキングはあくまで筆者の主観なのでその点はご留意いただきたい。
「本当のお金持ち」が招待される「すごいイベント」トップ5を発表/photo by iStock
イベントを開催する理由
そもそもプライベートバンクがイベントを開催する目的は「顧客と仲良くなって、たくさん資産を預かる」ことである。
車、時計、ゴルフ、絵画、音楽など富裕層の関心が高いイベントを開催し、担当者であるプライベートバンカーと一緒に楽しむことで親密さが増し、預かり資産の増加が期待できるのである。
なおイベントはプライベートバンクの中で、かかる費用や希少性などによりランク付けされており、高いランクのイベントほど預かり資産が多く、利益を生み出している顧客しか招待できない仕組みになっている。
それでは早速、第5位から紹介していこう。
第5位:プロアマゴルフコンペ
「なんだ、ただのゴルフコンペか」と侮るなかれ。
さすがはプライベートバンク主催のゴルフコンペである。
参加者が普通ではない。
もてなす側のプロゴルファーは誰でも名前を聞けばわかるような超一流選手。
筆者が知っているコンペでは、国内外で何度も優勝している日本人選手が参加していた。
ゲストであるプライベートバンクの顧客も有名な上場会社の創業社長ばかりである。
参加者は超豪華であるが、イベント自体はどこにでもあるゴルフコンペということで5位とした。
第4位:ニューヨーク・フィルハーモニック楽団員との食事会
アメリカ最古の歴史があり、世界でもっとも権威が高いオーケストラの1つがニューヨーク・フィルハーモニックである。
顧客は特別席で同オーケストラの演奏を堪能したあと、さっきまで演奏していた指揮者や楽団員たちと一緒に食事をする。
クラシック音楽が好きな顧客には堪らないことは言うまでもないだろう。
私も同イベントに顧客とともに参加したが、これまでに見たことのない嬉しそうな表情で楽団員と会話していたことを覚えている。
富裕層の中でも60代以上の女性やお子様にクラシック音楽を習わせている親子には特に好まれるイベントである。
なおこういった特別なセッティングが可能なのは、プライベートバンクが多額の費用を払い同オーケストラのスポンサーになっているからである。
第3位:F1シンガポール・グランプリ特別席観戦
第3位:F1シンガポール・グランプリ特別席観戦/photo by gettyimages
F1は世界最高峰の自動車レースである。
世界各地で開催されており、その中でもプライベートバンクが顧客を招待しているのが、シンガポールグランプリである。
市街地をそのままコースにしてレースを行う年に1度のシンガポールの象徴的なイベントである。
その迫力あるレースを特別席から観戦できるのが最大の魅力だ。
F1は私が案内してきたイベントの中でも特に海外志向が強い30代、40代の若い男性経営者に人気であった。
単純に盛り上がって顧客と仲良くなれるので、プライベートバンカーも重宝するイベントである。
シンガポールには多くの富裕層が住んでおり、世界各国のプライベートバンクは富裕層を惹きつけようと様々なイベントを開催している。
その中の代表的なイベントがこのF1シンガポール・グランプリなのである。
第2位:モナコ・ヒストリック・グランプリ観戦&走行
第2位:モナコ・ヒストリック・グランプリ観戦&走行(写真は1999年モナコグランプリ)/photo by gettyimages
南フランスのモナコで2年に1度開催されるクラシックカーイベントで、F1のクラシックカー版のようなイメージである。
最大の魅力は、観戦だけでなくイベントで使用するコースを自分のクラシックカーで走行できることである。
権威ある欧州3大クラシックカーレースの公式コースを、自分の愛車で走行できるのはクラシックカー好きにとっては堪らないだろう。
F1好きは比較的、若い富裕層が多いが、クラシックカーは50代以上の有名経営者が多い印象である。
1台数千万円以上するクラシックカーを何台も保有している本当のマニアのお金持ちが多い。
公式コースを走行できるなどの特別感とクラシックカーというややマニアックだが超富裕層が好む嗜好を捉えたイベントということで2位とした。
第1位:某国元代表との会食
第1位:某国元代表との会食/photo by iStock
念のため某国とさせてもらっているがG7にも入っている先進国である。
同国の元代表を交えて限定された数人の顧客、プライベートバンカーで1つのテーブルを囲んで食事を行う。
日本だと安倍元首相を囲んで食事するようなイメージだろう。
元代表から同国の政治、経済の状況や見通し、公にされていないここだけの話などを聞くことができる。
しかしただ話を聞くだけでなく、もちろん顧客も目的を持って参加している。
将来的に同国でビジネス展開したいと考えている顧客や将来的に移住したいと思っている顧客など様々だが、元代表とのコネクションを積極的に活用したいと考えている。
プライベートバンクと付き合う大きなメリットは、同銀行が保有する独自のコネクションや特別なコミュニティと繋がることである。
その象徴的なイベントと言えるだろう。
私も当時は感覚がマヒしていて何も考えずこのようなイベントに参加していたが、よくよく考えたら、元とはいえ一国の代表と食事する機会はすごいことだと改めて思い、希少性を評価して今回は1位とした。
お金持ちの趣味嗜好にあわせて
今回は私の経験から主観でランク付けしたが、紹介したイベントはほんの一例に過ぎない。
プライベートバンクではお金持ちのために多種多様なイベントが日々、開催されている。
絵画に関心があれば有名な現代絵画のアーティストと食事会を開き、経営に関心があれば超有名な海外経営者とのサロンを開催し、ロシア・ウクライナ情勢の話が聞きたければ詳しい専門家や現地の要人を招待し勉強会を開催する。
お金持ちの趣味や嗜好が多種多様なため、プライベートバンクも顧客を惹きつけるために多種多様なイベントを開催するわけである。
また超VIPの顧客であればその顧客のためだけのオリジナルイベントを開催することもある。
上位5%の顧客が全体の利益の80%を稼ぎ出すプライベートバンクの世界ではそういったイベントが存在するのも自然なことだろう。
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