吟味しマンション購入も…男性を襲った思いがけない夜のトラブル7年間で約500件の不動産取引の経験を持つグランドネクスト株式会社代表・小島優一氏は、「マンション購入時の内見は、夜にもおこなうべき」と語ります。その理由をみていきましょう。【関連記事】自宅に「家を売りま
写真拡大 (全3枚)
7年間で約500件の不動産取引の経験を持つグランドネクスト株式会社代表・小島優一氏は、「マンション購入時の内見は、夜にもおこなうべき」と語ります。
その理由をみていきましょう。
自宅に「家を売りませんか?」というチラシが入る怖い理由じっくりと吟味したのに…マンション購入後の「後悔」
マンションの購入は、人生でそう何度もあることではないでしょう。
そのため筆者は、不動産会社の担当者が嫌がったとしても、納得いくまで現地を確認したり内見したりすることをおすすめしています。
都内の大手企業に勤めるAさん(32歳)も、じっくりと吟味してマンションを購入した一人です。
家賃よりも月々のローン支払いの方が安かったため、1LDKの中古マンションを購入しました。
しかし何度も内見をしたマンションですが、夜、思いがけない騒音に悩まされることになり、すでに購入を後悔していると言います。
Aさんのように、購入したマンションに入居してから、夜間の問題に悩まされている人は数多くいるのが事実です。
そこで、なぜ昼間の内見だけでは不十分なのか、夜のマンションにはどのような問題が起こり得るのかについてみていきましょう。
■マンション購入後の失敗と後悔
夜に限らず、マンションを購入してから「失敗した」と感じたり後悔したりするケースはかなり多くあります。
特に多いのが、騒音問題、近隣問題、周辺の環境問題の3つです。
それぞれにどのような問題が生じているのか、不動産会社の目線から解説していきます。
●騒音問題
マンションをはじめとした集合住宅で起こりやすい騒音問題。
建物の外からの音と、隣・上下の部屋からの音があります。
一般的に、建物の外が静かであると、隣家からの音が目立つため問題になることが多いようです。
●近隣問題
隣・上下の部屋との間に起こる問題は、音だけではありません。
音以上に深刻な問題になる場合があるのが「におい」です。
バルコニーで吸うタバコのにおい、ペットのにおいなどがあげられます。
また最近では、香りの強い洗剤や柔軟剤のにおいが引き金となってトラブルに発展した事例もあります。
●周辺環境問題
周辺環境の問題には、さまざまなものがあります。
学校や幼稚園から響いてくる音や、近くの公園やコンビニエンスストアにたむろしている若者たちの話し声などが挙げられます。
また、入居前には予定のなかった建物や施設が建つことで、景観や日照が遮られるといった問題も挙げられます。
マンションに「夜のトラブル」が多いワケ
Aさんのように、マンションを購入してから気づく問題やトラブルは、夜に起こりやすいと言えます。
なぜなら、夜はどの部屋にも人がいることが多く、生活音が発生しやすいためです。
特に都心など学生や若者が多く住むエリアでは、多様な職業・趣味を持っている方が多いので注意が必要です。
夜の生活パターンやリズムは人それぞれ違いますし、起きている人にとっては問題ないような音でも、寝ている人には耐えられない場合があります。
そこでここからは、夜、マンションの外・内それぞれにおいて発生するトラブル例をご紹介していきます。
■マンション周辺で起こるトラブル
・マンションの前の道路や近くの高速道路に、夜から早朝にかけて大型トラックの交通量が増える。
しかもスピードを出すので、夜、道路からの音や振動がひどい。
・マンションの近くにあるグラウンドやゴルフ練習場の照明が、夜遅くまで点灯しているため、窓から強烈な光が入ってきてまぶしい。
・近くに消防署と病院があるため、時間を問わず救急車や消防車がサイレンを鳴らして出動していく。
・マンションの前にある公園に、夜遅くまで若者が集まってバスケットボールやスケートボードをしているので音と話し声・笑い声がうるさい。
・向かいの建物の1階に飲食店があり、夜遅くに大きなカラオケの音が響いてくる。
■隣・上下の部屋との間で起こるトラブル
建物の内、つまり隣・上下の部屋との間で起こる夜のトラブルは、やはり音に関するものが多いです。
・下の階の部屋にあるルーフバルコニーで、夜遅くまで大勢が飲んだり食べたりしているので、音や話し声・笑い声が上がってきてうるさい。
・夜中に、上の階の部屋から小さい子供かペットが走り回る音がする。
・隣の部屋の人が、夜遅くに帰ってきたり仕事に出たりする際に、ドアを大きな音をたてて開閉するので、玄関近くの部屋で寝ることができない。
・夜、隣・下の部屋のバルコニーから、タバコや夜に干した洗濯物の強い柔軟剤のにおいがしてくるので、臭くて窓を開けられない。
昼間だけの内見では不十分
夜に起こるトラブル例を見てみると、マンションを購入する際の内見が昼間だけでは不十分だということがわかります。
マンションを購入してから後悔することになる事態を回避するためにも、購入前の内見は徹底的に行っておくことが大切です。
■内見時のチェックポイント
マンションを内見する際には、どうしても室内に注視しがちです。
しかし室内だけでなく、建物の共用部分や周辺の環境もしっかりとチェックすることが重要です。
駐輪場やゴミ置き場の様子から、マンション全体の雰囲気をうかがい知ることも可能です。
実際に会ったり話したりすることはできなくても、隣の部屋や上下の部屋の前も確認しておくとよいかもしれません。
■内見はなぜ昼になるのか?
まだ入居者が住んでいる部屋の場合、夜に内見するのはどうしても難しくなります。
さらに不動産会社の営業時間外の時間であれば、担当者が内見に立ち会えないこともあります。
売主の都合によっては、時間だけでなく、休みの日に日にちが限定されてしまうこともよくあります。
■夜に内見は可能?
さまざまな理由から、マンションの室内を夜に内見することは難しいのですが、気になる場合には、夜の内覧を不動産会社を通して依頼するとよいでしょう。
また、夜に室内の内見をするのは難しくとも、周辺環境や共用部分であれば夜にチェックしに行くことは可能です。
購入を検討しているマンションは、できるだけ夜にそのマンションの共用部分と周辺を訪れてみてください。
できれば一度ではなく、複数回訪れることをおすすめします。
最寄りの駅やバス停から歩いてみたり、周辺の施設や店舗の様子を確認したりすることも大切です。
何度か歩いてみると駅からの急な坂道が気になったり、お墓を発見したりと気づくことは多々あります。
マンション購入時は夜も内見を
Aさんのように、マンションを購入してから夜のトラブルで「失敗した」と感じたり後悔したりすることがないよう、内見はぜひ、夜にもおこなうことをおすすめします。
売主や不動産会社の都合で室内の内見ができない場合でも、夜のマンションの共用部分や周辺の環境をチェックすることはできます。
できれば日を変えて何度か足を運び、細かく確認するようにしましょう。
地域によっては、昼と夜とで街の雰囲気は大きく異なることがあります。
不動産仲介会社としても、引き渡し後にトラブルになるより、懸念事項があれば契約前に解消しておきたいと考えているはずです。
営業担当者に苦労をかけてもいいので確認事項はしっかりと明らかにさせ、事前に手を尽くすことが不可欠です。
小島 優一
グランドネクスト株式会社
评论